昨年の新語大賞に選ばれた「言語化」。かしこまった感じでいうと、自分の考えや感情を言葉で的確に表現し、相手に伝える能力のことで、ビジネスだけでなく日常生活のあらゆる場面で、この能力を発揮することが求められます。
言語化が得意な人は、単に言葉を並べるだけでなく、情報の全体像を構造的に捉え、相手に合わせた表現を選んでいます。言葉を巧みに操ることは職場での評価、キャリア形成に直結します。
しかし、言語化が苦手な人も多く、思考の整理不足や相手の理解度まで考えが及ばないことがその原因だといわれています。
話に流れを持たせる
言語化が得意な人は、ただ単に知識を覚えているわけではなく、情報や経験を「構造的」に整理しています。
例えば、学校で習う歴史を思い浮かべてください。ただ年号や出来事を暗記するのではなく、「どの時代がどんな流れでつながっているのか」「なぜこの出来事が次の動きに影響を与えたのか」を理解しています。
このように「全体像」と「細部」をつなげて考えられるからこそ、他人に説明する時に筋道が通り、わかりやすい話ができるのです。
また構造的に理解していることで、話の内容を頭の中で整理しやすくなり、言葉にするときに迷いが少なくなります。逆に、知識が断片的だと、「何を伝えたかったんだっけ?」と混乱しやすくなります。
面倒だと思うかもしれませんが、あらかじめ周辺知識を調べておくことが話を立体的に、そして自然な話の流れを作るコツです。
相手に合わせて言葉を使い分ける
また言語化がうまい人は、自分の言葉を相手に合わせて調整します。これが「伝える力」の本質です。例えば専門的な内容を子どもに話す時は、難しい言葉を避けて身近な例を使います。
一方で、同じ内容を専門家に話す時は、専門用語を使い効率よく伝えます。このように「誰に」「何を」「どうやって」伝えるかを瞬時に考えられるのです。
さらに相手との共通言語を作るために、言葉の定義や前提条件を確認することも不可欠です。例えば「自己啓発」という言葉をひとつとっても、人によってイメージはさまざまです。
認識がズレていると話がかみ合わなくなりますし、そもそも反応が薄い場合は興味がないと判断し、その話をしないことも相手に合わせるスキルのひとつです。
実践したら、必ず振り返る
言語化力は生まれつきの才能だけでなく、経験と努力で伸ばせるスキルです。言語化がうまい人は、たくさんの場数を踏み、フィードバックを受けながら伝え方を改善しています。
例えば、仕事でプレゼンや報告を繰り返し経験したり、日常的に友人や家族に説明してみたりすることで、自分の話し方のクセや分かりにくい部分に気づきます。
また、読書や他者の話し方を観察することも役立ちます。名スピーカーのプレゼンや文章を参考にすることで、「こんな言い回しが効果的」「この例えはわかりやすい」といったヒントを得られます。
言語化の練習は、単なる暗記や机上の理論だけでなく、実際の対話や発信の場でこそ成果が出ます。失敗を恐れず何度もトライし、振り返りながら少しずつ磨いていくことが大切です。
日々の実践や振り返りを通して、自分の伝え方を磨き続けてください。失敗を恐れずに繰り返し伝えることで、言語化力は確実に伸びていきます。
言語化は決して特別な才能ではありません。日々の実践や振り返りを通して、自分の伝え方を磨き続けてください。失敗を恐れずに繰り返し伝えることで、言語化力は確実に伸びていきます。
伝える練習を続けることで、次第に話すことが楽しいと感じるようになれば、大丈夫。言語化はもうあなたのものになっているはずです。
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