エグゼクティブコーチング

売上・費用など数字は経営者にとって、会社の業績を測る重要な指標であり、経営判断を下すための基盤であることに違いない。しかし、「数字につながらない仕事に意味はない」と考える。現場に、数字だけを押し付けると、商品やサービスの品質を落とさざるを得なくなり、消費者に見放される可能性がある。また社内からは、「話を聞いてもらえない」などとクレームが紛糾し、社員の定着率が低くなる。

新規事業への参画や、人材採用など過去に下した判断が失敗だったと認めたくないという心理が働く。収益性や将来性といった合理的な判断基準よりも、過去のコストを惜しむ感情が優先され、赤字事業からの撤退などの判断が著しく遅れることがある。その背景には経営者というプライドが邪魔をしていることや、責任を追及されることに恐怖心を抱いている。

上のポジションになる程、ビジネスがうまくいくと軽く考えることがある。一般的な自信とは異なり、「自信過剰(overconfidence)」の状況に陥る。例えば、新規プロジェクトを始めるとき、過去のデータや部下の提案を無視し、独断で決めることがある。また、競合他社の動きを軽く見てしまい、結果として大きな損失を受けることもある。

コーチングセッションを繰り返す中で、気づくことができなかったり、さらには見て見ぬふりをしてきた自身の性格や長所、短所と向き合うことができる。そして、分析した性格によって行動が他人にどのような影響を与えるかを把握し、組織のトップとしての振る舞いが変わる。

立場上、経営者は”孤独”だと言われることが多い。社員の悩みを聞く機会はあっても、立場上その逆は不可能であり、また他企業の経営者と腹を割って話したり、愚痴をこぼすこともなかなか難しい。しかし、伴奏者であるコーチとのセッションを行うと、孤独という感覚は自然と消え、「ゴールを達成する」という強い確信を持つことができる。

目標や戦略設計をし、取り組むべきことが明確になっても時には迷うことも出てくる。しかし、エフィカシーが高まることで、何が原因で失敗したのか？など、ネガティブな部分にも冷静に向き合えるようになる。自身の行動パターンや思考の癖にも気づくため、過去の成功体験や強みを自信に一歩ずつでも進化のサイクルを回すことができるようになる。